- Cirium(シリウム)は、2021年の年間定時運航率レビューを発表しました。このレビューは、航空会社と空港のパフォーマンスの世界的基準となるものです。
- 今回、最優秀運航実績賞に輝いたのはデルタ航空です。
- 世界の航空会社は2021年、前年比10%増の2,500万便弱のフライトを運航しましたが、2019年と比べると依然として36%少ない水準でした。
- 地域別の主要航空会社のカテゴリーでは、機材稼働率が高い航空会社がリストの上位を占めました。これらの航空会社には、ブエリング、イベリア・エクスプレス、イベリアといったスペイン系のIAG傘下の航空会社が含まれています。この3社は、ヨーロッパにおけるトップ5のうちの3社となりました。
- 定時出発率ランキングでトップに輝いた空港は、東京の羽田空港です。
[ニューヨーク、イギリス] 2021年12月29日―航空業界の分析を行う会社であるCiriumは本日、2021年定時運航率レビューを発表しました。このレビューは、航空会社と空港のパフォーマンスの世界的基準となるものです(航空会社は定時到着率、空港は定時出発率で評価)。Ciriumは米アトランタ州に本社があるデルタ航空に対し、運航実績が年間を通して世界で最も優秀だった航空会社に与えられるプラチナ賞を授与しました。
この新しい年間賞は、航空会社の運航面での複雑性、便数規模、路線網の多様性、さらにその他の主要な運航要素を考慮した上で、卓越した実績を残したと判断された航空会社に与えられるものです。プラチナ賞は、Cirium独自のアルゴリズムに基づいて選定され、公平性、正確性、完全性を保証するべく、パラメーター配列を考慮し、可能な限り1対1の原則で各航空会社を比較できるようにしています。
「2021年は、航空会社にとって再び困難な年となりました。しかし、2020年に比べると確実に状況は良くなっており、回復が始まった年と位置づけられます。」
Cirium CEO、Jeremy Bowen
「デルタ航空はこの年、航空会社の規模、路線網、遅延時間、運航されたフライト数の面で際立った実績を残しました。困難なこの時期において、同社は最善を尽くし、極めて優れた業績をあげたと言えます。定時到着率において最高の実績を残した航空会社には、全日本空輸(ANA)が選ばれました。デルタ航空とANA、そして地域別の受賞航空会社を祝福します。」CiriumのCEOであるJeremy Bowen氏はこのように述べました。
Ciriumの2021年定時運航率レビューには、フライト数が戻ってきた第2四半期(6月から12月)の実績が反映されています。世界の航空会社は2021年、前年比10%増の2,500万便弱のフライトを運航しましたが、2019年と比べると依然として36%少ない水準でした。
このレポートでは、世界および特定のカテゴリーにおける、実績上位の航空会社と空港を評価しています。
全世界の航空会社
全日本空輸(ANA)は95%の定時到着率を達成し、全世界の航空会社カテゴリーにおける定時到着率の最高賞を受賞しました。同社に続く僅差の2位に入ったのは、94%の定時到着率を達成した日本航空(JAL)でした。定時到着率については、日本の航空会社が設定している高い基準が反映された格好です。第3位はアエロフロート(定時到着率91%)で、以下、LATAM(同88.7%)、デルタ航空(87.8%)と続きました。
アジア・パシフィック
アジア太平洋地区においては、日本の航空会社であるANAとJALがランキングのトップに位置しています。主に国際線フライトが多い航空会社は、アジアではほぼ全面的に運航休止状態となりました。国内線フライトを多数運航する航空会社は、回復傾向にあります。今年のアジア・パシフィックカテゴリーにおける上位10社は、国内線の運航数が多い航空会社が独占しました。
ヨーロッパ
スペイン系のIAG傘下の航空会社であるブエリング、イベリア・エクスプレス、イベリアがそれぞれ92.1%、91.8%、90.3%の定時到着率を達成し、ヨーロッパの上位5社のうちの3社に入りました。注目すべきは、ブエリングが2021年の第3四半期に、国際線フライトに特化した提供座席数を65%増やしたことです。
中南米
パンデミックが始まったころにほぼ完全に運航を停止したコパ航空は、急速な回復ぶりを示しており、提供座席数を拡大し、非常に高い水準の定時到着率で運航中です。同社は90.3%の定時到着率を達成し、中南米カテゴリーの勝者となりました。以下、アルゼンチン航空(定時到着率89.2%)、アズールブラジル航空(同88.9%)が続きました。
中東・アフリカ
南アフリカのLCCであるサフエアは定時到着率96.4%を達成し、中東およびアフリカのカテゴリーのトップとなりました。同社は、2019年の定時到着率レビューには登場していませんでしたが、南アフリカ人の休暇旅行先であるモーリシャス諸島への国際線フライトを集中的に拡大しました。この地域では、ロイヤル・ヨルダン航空(定時到着率89%)、エミレーツ航空(同86.7%)の実績も際立っていました。
北米
フライトの定時到着率87.7%を達成したデルタ航空が、北米地区の定時到着率トップとなり、アラスカ航空(定時到着率81.7%)、アメリカン航空(同80.5%)を上回りました。
LCC
日本の国内線を運航するANA系列のソラシドエアの定時到着率は97.9%で、2021年のLCCカテゴリーでトップとなりました。14路線で運航している同社は、非常に機材稼働率が高い運航内容でした。
グローバル空港
このレポートでは、定時出発率における世界の上位空港も選定しています。今回は東京国際空港(羽田空港)が、定時出発率ランキングのトップとなりました。同港は2021年、95.6%の定時出発率を記録しました。
私たちは航空会社と空港の定時運航の分析を行い、業界最長の13年間にわたりCirium定時運航率レポートを発表してきました。Ciriumはフライト運航数の回復を受け、2021年5月にレポートを再開しました。毎月のレポートは、航空会社の乗客をA地点からB地点まで定時運航で運ぶ実績を把握するのに役立っています。Ciriumの定時運航率分析は、600を超すリアルタイムのフライト情報ソースから得た運航データに基づいて行われています。ある航空会社のフライトが定時到着と認められるためには、そのフライトが、航空会社が公開していた予定到着時刻と実際の到着時刻と比べて15分未満で到着する必要があります。