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CO2排出規制が管理型出張にもたらす影響とは?
CO2排出量報告には、組織の温室効果ガス排出量を3つのスコープに分けて数値化することが含まれます。
筆者: Jim Hetzel, Product Marketing Director, Cirium
CO2排出量報告(カーボンエミッション・レポート)は、特に管理型の出張を実践する企業にとって、企業の社会的責任という点でますます重要になってきています。環境意識が高まる今の時代においては、世界的な規制がCO2排出に与える影響を理解することは極めて重要です。では、そのような規制がビジネスにどう影響を与え、どのような利益をもたらすのかを見ていきましょう。
CO2排出量報告には、組織の温室効果ガス排出量について、以下の3つのスコープに分けて数値化することが含まれます。
スコープ1:所有または管理する排出源からの直接排出。
スコープ2:購入したエネルギーの使用に伴う間接排出。
スコープ3:出張を含むその他の間接排出。
強まる世界の規制
世界の各規制機関は今、企業の環境への影響に対する責任を問うため、CO2排出量報告に関する厳格な規則を導入しています。
欧州連合(EU)の企業持続可能性報告指令(CSRD):
EUの大企業に対し、出張による気候への影響など、環境への影響に関する報告書を定期的に公表することを義務付けるものです。
米カリフォルニア州気候企業リーダーシップおよび説明責任法(SB253)ならびに気候関連財務リスク法(SB261):
企業に対し、業務やサプライチェーン、金融機関のポートフォリオからの排出を含めた全排出範囲の開示を義務付けるものです。
コンプライアンスのメリット
- 規制の順守:企業はCO2排出規制を理解、順守することにより、コンプライアンス違反に伴う罰則や法的リスクを回避することができます。
- カーボンオフセットの取り組みの最適化:排出量報告に関する知識があれば、企業はCO2排出量(カーボンフットプリント)を効果的に削減できる分野を特定することが可能です。
- コスト削減:カーボンオフセットの取り組みを最適化することにより、企業は排出削減戦略に伴うコストを最小限に抑えることができます。
- ブランドイメージの向上:正確な排出報告を通じて環境持続可能性への真摯な姿勢を示すことは、環境意識の高い消費者が抱く企業のブランドイメージを向上させるのに役立ちます。
- 投資家へのアピール:CO2排出量を積極的に管理している企業は、持続可能な慣行が長期的な財務安定性をもたらすことになるため、投資家コミュニティにとって魅力的に映ります。
- 規制の順守:CO2排出規制を理解し順守することで、企業はコンプライアンス違反に伴う罰則や法的リスクを回避することができます。
Ciriumは、航空機およびフライトの排出ガスを正確に測定するという画期的な仕事に取り組んでいます。持続可能な慣行と責任ある企業行動を追求するという意味で重要な役割を果たしており、結果として、企業がグローバルなESG目標に沿った事業を展開することに役立っています。
ケーススタディ事例 – RELXのフライトダッシュボード
世界的な情報分析企業であるRELXは、以下のように革新的なソリューションを駆使してフライトの排出量を測定・追跡しています。
- Ciriumの航空分析を利用したフライトダッシュボードは、正確な燃料消費量を算出し、提供します。
- RELXはこのデータをもとに、排出量の削減、排出量の少ない航空会社や路線の選択、そしてCO2削減目標の設定に向けて、確かな情報に基づいた意思決定を行います。
RELXで変わる旅行行動
フライトダッシュボードの導入は、RELXに以下のような前向きな変化をもたらしました。
- 対面の会議にかかる財務コストと炭素関連コストを考慮し、その最適なバランスを見つける。
- 出張の影響を毎年測定し、削減目標を設定する。
- 不必要な出張を減らし、環境プロジェクトを支援するインセンティブとして、CO2への価格付けであるインターナルカーボンプライシング(社内炭素価格)を導入する
組織はCO2排出量を積極的に管理することにより、コンプライアンスのメリットを享受しながら、持続可能な未来に貢献することができます。こうした変化をしっかりと受け止めて、よりグリーンな明日を共に創り出しましょう。
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