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顧客の視点

Cirium「開発者スポットライト」– Flighty

September 1, 2023

2023年のApple Design Awardsを受賞した旅行アプリ「Flighty」の創設者であるRyan Jones氏にインタビューします。

本日のCirium「開発者スポットライト」では、Apple App Storeでダウンロード可能な旅行アプリ「Flighty」をご紹介します。このアプリはちょうど、2023年のApple Design Awardsを受賞したばかりです。Flightyは、旅行者が移動中にフライトを追跡するのに役立ちます。多くのファンによれば、このアプリは単なる旅行アプリではなく、最も使いやすく信頼できるアプリのひとつだといいます。Flightyは、AppleがiPhone 14を発表する際のプレゼンテーションで、この機種の「ダイナミックアイランド(Dynamic Island)」と呼ばれる機能に対応するアプリとして紹介されました。この機能は、適切な分量のタイムクリティカルな(タイミングが重視される)データを必要なタイミングで提示するものです。例えば、ゲームのスコア、海外で普及しているライドシェアの車の到着時間、あるいはFlightyの場合は次のフライトまでの時間といったデータです。 このアプリはAppleの「Editors’ Choice」にも選ばれ、5万件以上のレビューが付き、平均4.8個の星を獲得しています。

フライトの遅延を簡単に追跡し、何が起きているかを常に知る方法をお探しであれば、Flightyはチェックする価値があります。Ciriumは、Flightyの創設者であるRyan Jones氏にインタビューを行い、Flightyを開発した経緯などについて話を聞きました。

どのようにしてこのアプリを開発しましたか?また、このアプリがどのように顧客体験を向上させることができると考えていますか?

始まりは、フォートローダーデールの空港にあるチリーズ・レストランで、6時間遅れのフライトを待っていたときでした。私は90歳の祖母と旅行中で、搭乗機はシカゴで発生した吹雪で立ち往生していました。

航空マニアである私は、これからどうなるのかを知るためには、複数のウェブサイトから情報を集める必要があるということを知ってはいました。それでも、6つほどのウェブサイトを相互に参照しつつ、最新の情報をチェックするためにページを常に更新し続けるのは大変なことでした。もっと良い方法があったはずなのです。

私たちの目標は、マニアックなサイトやテクニックをすべて取り入れ、それを業界内最高クラスのデータソースと組み合わせた上で、自動化することです。その点で私たちは、非常にうまくやれていると思っています。このアプリでは、より多くのデータを取り込み、ミリ秒単位で状況を監視し、手動で行うよりもはるかに素早くアラートを送れるようにしています。

アプリを機能させるために、どのようなデータを入力するのでしょうか?

それは企業秘密です!とはいえ、基本的には「すべてのデータ」です。私たちには、Ciriumを含む6つの主要なデータフィードがあります。私たちの専門性は、それぞれのデータのニーズに対して、どのフィードが最も正確で早いかを知ることにあります。

フライトの遅延やキャンセルの情報について、航空会社よりも早く公表できるときもあります。技術的な見地から言って、それをどのように行うのですか?

私たちが真に得意とするものの一つに、インスタント・プッシュ・アラートという機能があります。創業時のエンジニアは、Flightyに入社する前、ヨーロッパのテクノロジー界の大物実業家の下で働いていました。彼は、サッカーの試合のゴールを知らせる独自のプッシュ通知サービスを開発した人物です。このサービスではスピードが絶対的に重要なのですが、ゴールからわずか1秒以内に、何百万ものアラートを送信することに成功したのです。そのため、彼が会得したすべてのことを最初からFlightyに注ぎ込み、夢のようなインフラを一から構築できたのです。

現在、レイテンシー(遅延時間)については、他社の多くが分単位であるのに対し、私たちはミリ秒単位となっています。そんな理由から、私たちはしばしば航空会社よりも早くフライト情報を通知することができるのです。

実際に最近、飛行中の搭乗機がダイバート(目的地外着陸)になったとのFlightyアラートを受け取ったというユーザーからは、こんな話を聞きました。パイロットによるダイバートの機内アナウンスが行われる前に、搭乗機がアラートの通りに進路変更のため傾き始めたのを感じたというのです。

なぜFlightyアプリは、他のフライト追跡アプリや旅行代理店のオンラインアプリなどと異なるのですか?

ほとんどのアプリは、お得な情報、フライト、クレジットカードなど、何かを売り込もうとしています。しかし、私たちはユーザーのフライトについて、できるだけ早く真実を伝えようとしています。例えば、航空会社やオンライン旅行代理店 (OTA)は顧客に対し、航空券を販売したいと思っています。航空会社の場合は、出発ゲートで静かに待っていてもらいたいと思っています。私たちの場合は、いま何が起きているのかについて、ユーザーにできるだけ早く真実を伝えたいのです。それ故に私たちは、ユーザーが望んでいることに対して、極めて忠実であると言えます。

このアプリは、ユーザーのカレンダーから魔法のごとく自動的に、ユーザーのフライト情報を取り込みます。これはかなり便利な機能です。

他のアプリでは、ユーザーの受信トレイ全体にアクセスする必要がありますが、これにはプライバシー保護の観点から強い懸念があり、実際に多くの企業が使用を制限し始めています。私は、ユーザーのローカルのカレンダー入力情報を使用し、それをデバイス上で処理し、匿名でフライト情報をインポートするというFlightyの方法に、強い誇りを持っています。フライト番号と日付以外、ユーザーのデバイスから離れる情報は何もありません。しかも、その情報さえも匿名です。プライバシーとスピードの点で、まさに一歩前進したと言えます。そして、数秒のうちにカレンダーから500便ものフライトがインポートされるという体験は、まったく魔法のようです。そうすることで、ユーザーは過去の搭乗フライトを実際に見て確認することができます。年末のインスタグラムへの臨機応変な投稿に最適であることもさることながら、最も重要なのは、将来の搭乗フライトをきれいに整理しておけることでしょう。

Appleはなぜ、Flightyに注目したと思いますか?

確かに注目してもらいました。私たちは今年、アApple Design Awardを受賞したのです。これはアプリのアカデミー賞のようなものです。受賞は私たちのチームにとってまさに誇らしい出来事であり、私たちがすべての旅行者に必要とされるものを作り上げていることについて、再認識した瞬間でもありました。 なぜかと言えば、私たちが自己資金を基に、自らユーザーとして望むものを作ることに成功しており、顧客体験にも”超”が付くほどに重点を置いているからです。ですから、試用のために電子メールやクレジットカードを使うよう要求したり、広告や不快な追跡を行ったり、ユーザーにしつこく何かを尋ねたりすることはありません。なぜなら、そんなことを望む人は誰もいないからです。さらに私たちは、何ヵ月も、何年もかけて業界初の機能を開発することができます。そこまでの時間を投資できる企業は多くありません。そのような機能を持つサービスは、Appleが特に注目するものです。私たちのDNAにも組み込まれている考え方であり、Appleとはその点で根本的に一致していると思います。

Flightyの今後の展開は?どのような夢の機能が搭載される予定ですか?

夢のような機能こそが私たちの糧です。核となる価値観のひとつは、業界初の機能を開発することです。ある意味、私たちは年に何度も夢のような機能を世に送り出しています。それは本当に楽しいことです。

最初の新機能は、「25-hr Where’s My Plane」でした。最近では、タキシング(地上走行)中でもレーダーによるライブ追跡ができる機能を追加しました。また、iPhoneのユーザーであれば、今後「ダイナミックアイランド」という機能を見ることになるでしょう。これは、これまで取り組んできた中でもとりわけ素晴らしい機能でした。

私たちは今、次の夢のような機能を実現するため、非常に特別なことに取り組んでいます。まだそれについて話す準備はできていませんが、どうぞご期待ください。


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