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ISTAT Asiaの主なポイント:APACの航空会社は今、短期需要に応えるべく中古機材に注目している

November 3, 2022

アジア太平洋地区の航空会社は今、旅客需要の回復を支える座席キャパシティのニーズに応えるべく、短期ベースで使用する中古機材に目を向けています。

2022年10月11日~13日、ISTAT ASIA SINGAPOREが開催されました。

筆者:Naomi Neoh,  Air Transport Reporter Asia for Cirium Dashboard

10月12日にISTAT(国際輸送航空機貿易協会)がシンガポールで開催したイベント「ISTAT Asia」のパネルディスカッションにおいて、セブパシフィック航空の最高財務責任者であるMark Cezar氏は、「中古機材は今、弊社のような会社でさえ使用するほどの大きなビジネス機会である」と指摘しました。

このフィリピンの格安航空会社は、信頼性を求め、ハイサイクルで高密度な構成の運航を支えるために、新造のジェット機のみを使用していました。

中古機を引き取る機会があるとすれば、それは短期的にキャパシティを増やすためでしょう。短期的というのは、ここでは2年から3年の期間のことです。

Mark Cezar

インディゴ(IndiGo)の機材取得および資金調達の最高責任者であるRiyaz Peermohamed氏は、機材が不足している現在、インドの格安航空会社である同社は、機材更新戦略の一環として、機齢の高い航空機を段階的に手放すことを遅らせる可能性はあるものの、中古機を調達するまでには至らないだろうと述べています。

私たちには、機材とエンジンがもっと必要です。インドは成長市場であり、さらなる成長のためのあらゆる準備が整っており、すべてが順調のようです。ただ、この燃料高騰の環境下で、より燃費が良く、市場で優位に立てる機材が十分に確保できないだけなのです。

Riyaz Peermohamed

「機材が不足しているので、製造ペースが需要に追いつき、新しい機材が十分に供給されるまで、(自社の)古い機材をもう少し保有し続けなければならないかもしれません」と、Peermohamed氏は付け加えました。

ベトジェットエア(VietJet Air)の機材フリート計画・取得・資金調達担当ディレクターであるDanny Ta Quang Ngoc氏によると、ベトナムの航空会社である同社は、新型コロナウイルス感染症が流行する中でも数機の中古機を追加し、今年はエアバスからも機材の納入があったといいます。

各航空会社のそれぞれの市場は、旅客輸送の面では好調です。しかし、ディスカッションのパネリストたちは、目前には金利の上昇、為替レートの変動、燃料価格の高騰という課題があると警告を発しました。

Cezar氏は、アジア太平洋地域は「中国市場が再び開放されたときに必然的に生じる需要の拡大に、もっと備える必要がある」と強調しています。


本バージョンの記事は、最初にCirium Dashboardに掲載されました。

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