公開されたポッドキャスト「Sustainability in the Air」の最新号では、CiriumのCEOであるJeremy Bowenが、SimpliFlyingのCEOであるShashank Nigam氏とともに、航空関連業界におけるサステナビリティ(持続可能性)について語っています。 Ciriumが、温室効果ガス排出量を算出するための最も正確なデータ主導型の方法論を駆使しながら、どのようにして業界が公約したサステナビリティを実現するための手助けをするのか、そして何より、なぜそれが重要なのかについて、ぜひ知ってください。 このポッドキャストから得られた重要な6つの洞察的知見について、以下、どうぞお読みください。
Q: 航空業界がサステナブル(持続可能)な運航を展開する上で、主要な課題とは何でしょうか?
A: この業界は大幅な成長が見込まれますが、世界が温室効果ガスの排出量「ネットゼロ(実質ゼロ)」に移行する中、脱炭素化という課題を抱えています。業界として何も対策を講じなければ、2050年までに世界のCO2排出量を大幅に増加させることになり、500マイル未満のフライトの禁止など、業界の収益や雇用に損害を及ぼす規制に直面する可能性があります。 この業界では、間接的排出を減らす試みは成果を上げてきましたが、特に難しい課題となっているのが、脱炭素化です。航空機の飛行に関して、取り組める実証済みの解決策はまだありません。
Q: Ciriumの戦略は、エミッション・フリー・インダストリーという考え方にどのように合致するのでしょうか。
A: Ciriumには、サステナビリティにおいて重要な役割を果たせる機会があります。Ciriumのビジョンは、航空業界のサステナビリティにおける信頼できるパートナーになることであり、独自のデータ資産と独立性を活かしつつ、航空業界にとって最も正確な炭素排出量の履歴と予測のデータを提供し、業界が公約を果たして持続可能な未来を実現できるようにすることです。
Q: この課題に取り組む業界を支援するために、Ciriumはどのような役割を担うのでしょうか?
A: 世界中の企業がパリ協定で定められた普遍的な目標(遅くとも2050年までにネットゼロを実現する)に沿った誓約に署名する中、炭素排出に関する不正確な計算や報告があれば、企業や旅行者が戦略、ビジネス実践、購入行動について誤った判断をすることに繫がります。
私たちの排出量計算の手法は、業界では比類のないものです。私たちはデータ主導型のアプローチを採用してきました。つまり、さまざまな情報ソースや航空機のあらゆる角度からのデータを融合させて算出した、より正確で精密な推定値を提供するのです。
Q: 貴社の排出量算出法は他とどう違い、また、存在する他の炭素算出法では解決できないどのような問題を解決できるのでしょうか?
A: Ciriumは業界からの信頼を得るために、サステナビリティ関連のデータ・情報の提供においては正確さを優先しています。当社の膨大なデータソースを活用し、炭素計算においては、効率的な運航に向けた航空会社の投資を反映させるとともに、極めて多くのインプット情報を考慮しています。正確性に欠ける方法では、運航効率の向上面が考慮されていないため、航空会社がそうした投資を行う動機付けとはなりません。
Ciriumの手法には、以下のような6つの差別化のポイントがあります。
- 航空機のマスターシリーズ、エンジンのマスターシリーズ、ウィングレットタイプの燃料消費モデルを利用しており、フライトで使用される機材に沿った170種類以上の燃料消費モデルを確保しています。
- 当社のフライト排出量の算出法は、フライト距離ベースとなっている他の炭素算出法とは異なり、フライト時間ベースの手法となっています。タクシータイムとエアタイムを使用することで、運航効率性に応じた排出量を算出しています。
- Ciriumは、ある座席や乗客に炭素を配分する場合に、機内の座席数でフライトの炭素量を分けるような単純なものではないことを認識しています。機材客室データを用いて、各座席クラスの占有客室スペースを正確に反映させた上で、炭素を正確に配分しています。
- また、旅客機が運航する各フライトの燃料使用量と二酸化炭素排出量を予測することにより、航空会社から当社に提出されるデータに頼ることなく炭素計算を行っています。こうした方法により、Ciriumは業界内における中立的な立場を保ちながら、実績を比較することができるのです。
- 私たちは、当社の戦略的な航空会社パートナーとのデータ共有を通じて、自らの炭素算出法の正当性を実証してきました。これらの検証作業により、当社の燃料推定値は、報告された燃料使用量に対して98〜99%の精度を達成できています。
- Ciriumの手法では、シート(座席)レベルのデータとフライトレベルのデータを対比させながら使用しています。 フライトレベルの排出量データは、フライトの運航によって発生する排出量を反映させたものです。 一方のシートレベルの排出量は、フライトレベルのデータから、輸送された貨物の重量に関連する排出分を取り除き、輸送された乗客に関連する部分を残して算出します。 そして、乗客の排出分を、機内の各座席の寸法に基づき、機材の総座席数に対して配分しています。これは、Ciriumにとって重要な差別化の要素です。ほとんどの算出法は、透明性を制限する標準的な重み付けの係数(加重係数)を適用しているからです。
Q: Ciriumが選ばれる理由 Ciriumの他社にはない強みは何でしょうか?
A: Ciriumには、この分野で他社にはない以下の4つの重要な優位性があります。
- Ciriumは数十年にわたり、フリート、スケジュール、フライトステータスなどの総合的な業界データを提供してきた信頼あるマーケットリーダーです。
- フライトの全側面を網羅したデータは、正確かつ詳細です。また、当社は排出量算出に使うデータ素材の保持・更新も積極的に行っており、業界のエコシステム全体が燃費や運航効率を向上させるための取り組みを続けている中、当社顧客の皆様には、排出量データの透明性が継続的に保証されます。 当社データのカバー領域は、全世界のほぼすべての商用旅客便に及びます。 これにより、全世界で800社以上の航空会社のフライト排出量データを取得することができます。
- Ciriumは市場における中立性を保ち、独立したプロバイダーとして、偏りのないデータと知見を提供することができます。
- Ciriumの高い専門性は、深い業界知識と比類のない経験値の賜物なのです。
Q:これから浮上する最大のビジネス機会と課題は何だと思いますか?
A: この業界にとって最大のビジネス機会とは、地球環境への影響を軽減しながらも、成長し、世界中の人々に安全かつ効率的な輸送手段を提供し続けることです。 近年、気候変動に対する危機意識は高まっており、航空業界が果たすべき役割もきわめて大きくなっています。
課題は、数多くあります。しかし、すぐに思いつく課題としては、人間の行動を変えるということでしょう。私たちは皆、サステナビリティを他人事ではなく、自分の問題としてとらえる必要があります。 一人ひとりが、個人レベルでカーボンフットプリント(CFP)の削減に取り組まなければならないのです。 私たちは便利さに慣れ、急な打ち合わせのために飛行機に飛び乗るといったことをためらわなくなっていましたが、それも変わりつつあります。自分たちの活動の影響を精査するためにも、日々の行動自体を変えなければなりません。大きなことも小さなことも、すべてが変化につながるのです。
より多くの質問と知見を含む完全なインタビューを聴くためには、こちらのsimpliflyingのウェブサイトをご覧ください。