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2025年の旧正月――中国本土の旅行最盛期、日本がタイに代わり海外市場トップに


毎年旧正月になると、中国本土の飛行機旅行は最も忙しくダイナミックな時期を迎えます。

Pang Yee Huat, Solutions Engineer




筆者: Pang Yee Huat
Solutions Consultant at Cirium

  • 国際線の座席キャパシティが25%増と大きく伸び、総座席数は4%増に
  • 北京―上海線が上海―広州線を抜き国内線トップに
  • 国際線の最上位市場は日本、タイ、韓国

毎年旧正月になると、中国本土の飛行機旅行は最も忙しくダイナミックな時期を迎えます。この期間のキャパシティの動向を詳しく見てみると、着実な成長ぶりと需要の移り変わりが浮かび上がります。中国本土の旅客輸送の総キャパシティは前年比4%増となりましたが、これは国際線のキャパシティの25%増という顕著な伸びに後押しされたものです。一方の国内線キャパシティは、2024年の水準と一致しています。これらの変化は、今回の祝祭シーズンで高まる需要に適応する航空業界の回復力と進化する性質を如実に示しています。

2025年の国内の航空輸送キャパシティは、2024年の水準と比較すると横ばいとなっていますが、国内の最も利用の多い路線では大きな変化が見られます。北京―上海虹橋(PEK―SHA)、上海浦東―ハルビン(PVG―HRB)、成都―深圳(CTU―SZX)といった主要路線では、キャパシティが顕著に増加しています。中でも北京―上海虹橋線は、上海虹橋―広州線を抜いて2025年の国内線のトップに躍り出ました。また、上海浦東―ハルビン線は2025年に前年の11位から7位に上昇しました。深圳宝安(SZX)は、今年の旧正月期間の国内線トップ10に4路線がランクインしており、際立った好調ぶりを示しています。

一方、国際線のキャパシティは増加基調を維持しています。日本、マレーシア、ベトナムの主要3市場が特に堅調です。日本はタイを抜いて中国本土にとっての最上位の国際線市場となり、その増加率は59%にも及びました。この増加傾向は、既存路線のキャパシティ増だけではなく、昨年以降に開設された新規路線数が46%の大幅増になったことが要因となっています。

もう一つの成長市場であるベトナムも中国本土への路線が35%増加しており、2024年の35路線から2025年には47路線に拡大します。こうした新路線の中で興味を引かれるのは、青島航空のハイフォン―南寧(HPH―NNG)線で、これは中国本土とハイフォンを結ぶ唯一の路線です。これらの動向は、海外旅行がますます身近になっていることを浮き彫りにしています。

中国系航空会社は、旧正月期間中も引き続き国際線のキャパシティを独占している状態です。国際線の総キャパシティのうち、中国東方航空、中国南方航空、中国国際航空の3社が合計で39%のシェアを占めています。この独占状態は、今年の祝祭シーズンに国内・国際線の飛行機利用需要が急増する中、その需要に応える上で中国の航空会社が極めて重要な役割を担っていることを映し出しています。

旧正月の時期には、中国本土における飛行機利用の広範な回復と変化についての深い知見を得ることができます。旅行者が最愛の人と再会したり、新たな旅行先を模索したりする中、航空会社のキャパシティ拡大と新規路線の開設は、近い将来により大きな機会と接続性をもたらすことでしょう。

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